人気ミュージカルを映画化して2008年にヒットした「マンマ・ミーア!」の続編だ。前作から10年後、ギリシャの島の小さなホテルのオーナー、ソフィの現在と、ソフィの今は亡き母、ドナの若き日つまり1979年当時の物語がフラッシュバックで描かれる。
「マンマ・ミーア!」で明かされていた父(達)と亡き母の出会いの様子が具体的に映像化されているわけだ。
「マンマ・ミーア!」で明かされていた父(達)と亡き母の出会いの様子が具体的に映像化されているわけだ。
この第2作のタイトル「ヒア・ウィー・ゴー」の部分は、テーマ曲でもある“Mamma Mia”の“here I go again”の部分をもじったものだということは明らかだ。(原題は“Mamma Mia! Here we go again")
単純に訳すと「さあ、もう一度いこうよ(やろうよ)」となるのだろうが、曲の内容からするとそうでもなさそうだ。字幕では「またハマりそう」となっていた。そう、何度も恋人にだまされ、愛想をつかして別れると決めても、やっぱり別れられないわ! という切ない(?)女ごころを歌った曲だからだ。ある意味映画そのもののテーマかもしれない。
単純に訳すと「さあ、もう一度いこうよ(やろうよ)」となるのだろうが、曲の内容からするとそうでもなさそうだ。字幕では「またハマりそう」となっていた。そう、何度も恋人にだまされ、愛想をつかして別れると決めても、やっぱり別れられないわ! という切ない(?)女ごころを歌った曲だからだ。ある意味映画そのもののテーマかもしれない。
この“Mamma Mia” を含めて流れる音楽はもちろんABBAの名曲。前作で取り上げられた曲が多いが、今作で初めて使われた曲もある。冒頭の“When I Kissed the Teacher”もそのひとつ。
中に“I was in the seventh heaven”という歌詞があったので、何だろうと調べたら、「有頂天になって」という意味だった。ユダヤ人の信じる第七天国は最上天だから、らしい。
中に“I was in the seventh heaven”という歌詞があったので、何だろうと調べたら、「有頂天になって」という意味だった。ユダヤ人の信じる第七天国は最上天だから、らしい。
前作でも流れた有名な曲では「恋のウォーター・ルー」がある。ドナが訪れるパリのレストランのウェイター達がナポレオンっぽい制服を着ていたから、もしやと思っていたら、案の定“Waterloo”が流れ、“I was defeated, you won the war・・・”と歌い踊り始める。
もちろん、「あなたに負けたわ、もう首ったけ」とナポレオンのワーテルローでの敗戦にひっかけた恋の曲なのだ。ちなみに、欧米では“Waterloo”は「大敗」「惨敗」の意味になるようだ。
もちろん、「あなたに負けたわ、もう首ったけ」とナポレオンのワーテルローでの敗戦にひっかけた恋の曲なのだ。ちなみに、欧米では“Waterloo”は「大敗」「惨敗」の意味になるようだ。
こうして、映画では現在と過去が繰り返し交代して出てきて、登場人物達の過去の姿と現在の姿が対比されていく。だが、みな結構「いい歳の取り方」をしている。
映画の中で、まさに“In your case, age becomes you”というセリフが出てくる。フェリーの乗り場のギリシャ人管理官が(いい味だしながら)パパのひとりに話しかけるシーンだが、日本語では年と共にうまく年齢を加えていくという意味になるだろう。
彼は続けて“As it does a tree, a wine and a cheese”(「まるで大木やワイン、チーズみたいに」拙訳)と言う。“age becomes you”って、覚えておくと格好がいいセリフだ。
映画の中で、まさに“In your case, age becomes you”というセリフが出てくる。フェリーの乗り場のギリシャ人管理官が(いい味だしながら)パパのひとりに話しかけるシーンだが、日本語では年と共にうまく年齢を加えていくという意味になるだろう。
彼は続けて“As it does a tree, a wine and a cheese”(「まるで大木やワイン、チーズみたいに」拙訳)と言う。“age becomes you”って、覚えておくと格好がいいセリフだ。
いい歳の取り方と言えば、最後のほうに登場してくる女優にして歌手のシェール(Cher)は、最近あまり見かけなかったから、多少ケバくはあるが、いい歳の取り方をしていて驚いた。
彼女が派手派手しく登場したあと歌う「悲しきフェルナンド」は必見、いや必聴だ。
彼女が派手派手しく登場したあと歌う「悲しきフェルナンド」は必見、いや必聴だ。
この「悲しきフェルナンド」原題“Fernando”は、メキシコとアメリカとのいわゆる米墨戦争を共に戦った友を思って、ひとりの老兵が歌う歌だそうだから、場面にぴったりだと言えそうだ。
(ちなみにABBAの元のスウェーデン語の歌詞では、失恋をした友人フェルナンドを慰めるという、比較的単純な内容だったらしい)
(ちなみにABBAの元のスウェーデン語の歌詞では、失恋をした友人フェルナンドを慰めるという、比較的単純な内容だったらしい)
そして映画は、“The Day Before You Came”でホロリとさせ、過去と現在、新旧登場人物入り乱れての“Super Trooper”乱舞シーンで大団円を迎える。
二匹目のどじょうを狙っただろうには違いないが、まずまず成功している作品とは言えるだろう。